ツームストーン

2023.4.5

■ツームストーンとは(チップ立ち、マンハッタン現象)・・・

ツームストーンとは、チップ部品の両端電極のはんだの濡れ、溶融が同時に起こらず、片側の電極に先に濡れたはんだの表面張力によって、
部品が立ち上がってしまう現象です。以下のように、T3, のモーメンタムが他のT1、 T2よりも大きくなることによって発生します。


•部品の自重のモーメンタム・・・・・・・・・・・・・(T1)
•部品の下の溶融はんだの濡れ張力のモーメンタム・・・(T2)
•部品両サイドの溶融はんだ濡れ張力のモーメンタム・・(T3)


右記の不等式は、ツームストーンを現象を表します。: T1 + T2 < T3


特に小型チップ部品に関して、ツームストーンが発生しやすくなります。
部品の重心と支点との距離「 d」が小さいからです。この不具合を引き起こす原因としては、
以下の内容が考えられます。

1) 基板パッドのサイズの違い、不適正
2) 部品搭載の精度のズレ
3) 印刷ぺースト量の不均一
4) 印刷ペーストの量が多い
5) 部品端子へのはんだ濡れ上がりが異なる


上記要因のいずれか、あるいは、その組み合わせによって T1 + T2 < T3の不等式で表される不均一によって発生します。
部品端子への濡れ時間において、僅か0.2秒の濡れ時間の違いで、ツームストーンが発生することもあると言われております。

これらは以下に示されるような不等式が変化することで、不具合を解決することができます。




ツームストーン不良が発生する場合、このように濡れ時間と濡れ張力の相違が原因として発生しているため、
これを対策することで、不具合の抑制を図ることが可能となります。
予熱温度の均一化のためのリフロー温度プロファイルの見直し、ペースト印刷量の見直しを含む印刷条件の最適化、基板ランド寸法の変更、メタルマスク開口寸法の変更、部品実装精度の向上(部品搭載位置、ズレの有無含むマウント条件の見直し)といったことを行い、チップ部品両端子に対して、はんだ濡れの相違がなくなるような実装工程条件を整えることが対策となります。



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